二期会研究会主催の歌曲駅伝コンサートに出かけた。 上野の東京文化会館の小ホールで、大ホールは「アイーダ」の公演中だった。 バッハ・カンタータ、ドイツ歌曲、イタリア歌曲の各発表を聞いた。 全曲はさすがにパスした。15時から20時くらいまでなので、ちょっとムリっでした。 イタリア歌曲の研究会はちょっとしたご縁で、何回も発表会に行ったことがある。 個人的な面識はないが、なつかしい感じがした。 その後は、上野でふぐをやすく食べさせる店で、カロリー無視のてっちりセットを食べる。 もう、どーでもいいです、ワタシという気分です。 ふぐは美味しかったし、イタリア歌曲はよかった。 そんでもって、楽しい一日でした。 会場で、「リゴレット」と「仮面舞踏会」のイタリア語対訳台本も買ったし、もう思い残すことは――。 いや、それはいいすぎ。 ところで、10月に読んだ本の残りを書きます。 『小林秀雄の流儀』(山本七平) これについては、もう一冊読んだ本とからめて、来月に書くつもり。 お楽しみに。 キーワードは、ロシアとドストエフスキーです!! 今日取り上げるのは、 『結晶星団』(小松左京) 表題の「結晶星団」を再読したくなったので、ハルキ文庫のこちらを図書館で借りた。 さすがに小松御大の作品には、1990年代以降のSFが失ったものがずいぶん詰まっている。 一言でいえば、「重厚」ということでしょうか。 長編『果てしなき流れの果てに』の序曲となるルシファーと超知性体「アイ」の遭遇。 『果てしなき流れの〜』のラストを思い出し、じんとして涙がにじむ。 懐かしいというより、グローバリゼーション後のいまを直撃するイマジネーションを小松御大は前世紀半ばころに紡ぎ出していた! 「氷の下の暗い顔」「神への長い道」は、むかし読んだときとはまるで違って読めた。 成長するエネルギーを失ったいまの日本そっくりの異星人たち。 衰退を好意的にみる一部の論調と、滅び行く異星人たちの姿が重層的に重なって見える。 小松御大は衰退のなかに再生と新しい出発を見ている。 二つの短編で描かれる滅亡した異星種族の新たな旅立ちに、希望とちからが湧いてくる気がした。 ここに集められた短編は小松御大の最高傑作だ。 ちょっと疲れたお父さんには、上等なサプリになるだろう。 |
今月読んだ本の感想などを。。。。。 『白州正子の生き方』(馬場敬一) すでに白州正子の本を読んだことがある人には不要な本といってしまおう。 白州次郎についても、定評のある本(しかも文庫化されている)を読めば、新たにえるものはなにもない。 やっぱり、馬場さんはバーとグルメだな。 『ワープする宇宙』(リサ ランドール) アマゾンでは評判のいい本だが、とてもわかりにくい。 難解というより、説明がよくないような気がする。 前半の素粒子論の解説も、従来の解説記事とはなんとなく違っていて、どうも分からない。 この種の本は筆のたつ日本人物理科学者に解説本を書いてもらわないとどうにもならない。 理系の壁はあついなあと改めて実感した。 やっぱり偏微分やフーリェ変換が分かっていない文系人と理系人のあいだには、広くて深いとんでもない深淵があると思うのです。 『三角関数 (図解雑学)』(佐藤 敏明 ) はっきり言おう。 この本は名著です。 図解雑学という実用本のナツメ社からでているシリーズだから、インテリ向きではないように見えるけれど、深刻な数学力不足にお悩みの文化系人類(そんなヤツがいるかな?)にはお勧めです。 少なくとも、三角関数の微分やフーリェ変換とはなにかがすっきりと分かります。 (もちろん、使いこなせるとは口が裂けてもいえませんが。。。。) この2つの手口が分かると、光学系の専門書に出てくるわけのわからない数式が手品や呪文ではなく、意味のあるものにみえてきます。 チンプンカンプンの迷路から、意味のある世界がみえてくる。 貴重です。。。。 『脳に悪い7つの習慣』(林成之) 三十分もしないで、読み終える新書ではありますが、とても有益な本でした。 日経の雑誌やHPで、「A10神経群」についてコラムや記事を書いている先生ですが、「深刻な」(やたら、好きですね、我ながら「深刻」という言葉が。。。。)アタマの悪さに泣いているオッサンには大切な救いの神ですよ。 これをよんだおかげで、自分がドツボに落ち込んでいる理由が脳科学的によくわかりました。 「正しい姿勢をとる」 「字をていねいに書く」 「笑顔をこころがける」 これだけで、脳はすごく幸せになれるという偉大な真理を教えてもらいました。 あとは明日に続きます。 |
今月読んだ本のメモです。 『白州正子の生き方』(馬場敬一) 『小林秀雄の流儀』(山本七平) 『ワープする宇宙』(リサ ランドール) 『結晶星団』(小松左京) 『三角関数 (図解雑学)』(佐藤 敏明 ) 『脳に悪い7つの習慣』(林成之) 今月も、光学と関連する数学の勉強に追われて、一般書には手が届いていない。 『脳に悪い7つの習慣』によると、いやいや勉強しているのは脳に悪い習慣の一つだそうだ。 いや気を感じながら、取り組んでいるつもりはないのだが、理科系の素養がものすごく必要な光学の勉強ははっきりいって難しい。 これだけ脳に過負荷させているわけだから、読書量が落ちるのもしかたない。 今年は欲張って、インドネシア語、マレーシア語、タイ語に取り組んだが、いずれも入門書を読んだところで一応上がりとした。 これはインドネシア語。 スラマット。 サンパイ ジュンパ ラギ。 ハティ ハティ ヤ。 さようなら、また会いましょう、お元気で。。。 世界でいちばん易しい言葉といわれているらしい。 理由はやってみれば分かります! 言葉としては、インドネシア語はマレー語(=マレーシア語)から国家統一の過程で作られた新造言語でもあり、オーストロネシア語として、フィリピンのタガログ語と同じグループに属する。 ひとつに取り組めば、もう一つもという一石二鳥作戦だったが、あんまり似すぎているので、ごちゃごちゃになってしまった。 作戦ミスだったと思う。。。。 こちらマレー語。前述の理由でインドネシア語と似ている部分が非常に多い。 スラマッティンガル。 サンパイ ジュンパ ラギ。 さようなら、また会いましょう。 こちらはタイ語。 ラコーン クラップ。 レーオ ポップ カン マイ クラップ。 さようなら、また会いましょう。 タイ語の難物は文字でした。 ニワトリ(コー・カイ)と卵(コー・カイ)で始まる愉快な文字表(五十音図みたいなもの)マスターする必要がある。 まあ、母音(14+1文字)と子音42文字だけだから、そのうちなんとかなるだろう。 あくまでも、「そのうち」英語では that house....... ところで、ロシア語だが。。。。 うーん、どうしよう。 憧れはつのるいっぽうだが、体力が続かない。 こちらは戦略を練り直しだ! |
© 工藤龍大