今月は帰省をふくめて忙しかったので、読書日記は更新できませんでした。 体力値が減っていたせいか、まともな読書もしていなかったような...... 帰省したときには『古今和歌集』の再読と、アイヌ語入門書の復習だけをかろうじてやっていました。 あたまを使うのが面倒になってきたのかな。 そういえば、最近よく人の名前がとぶようになってしまった。 目の前にいる人の名前も忘れていたりします。 これってアルツハイマー症なのか−−とふと気になったりします。 最近読んだのは、『くまのパディントン』『パディントンのクリスマス』。 マイケル・ボンド作の童話ははじめて読みましたが、ほのぼのと楽しい。 「暗黒の地ペルー」(よくあの国から抗議がこなかったと不思議なフレーズ!)から密航してイギリスにやってきた礼儀正しいクマのパディントン。 親切なブラウンさん一家に、パディントン駅で拾われたせいで、ペルー語の名前を捨てて「パディントン」を命名される。 これは、今から考えるとかなりあぶない展開です。 実際に読んでみると、パディントン・シリーズは漫才の「ぼけ」と人情喜劇の泥臭さがふしぎな調和している感じです。 典型的なボケのパディントンと、移民差別(動物差別?)の苦い笑いが、すれすれのところで均衡している。 これを、ペルーからきた不法滞在者とイギリスの中流家庭の温かな交流として描くのは、執筆時には難しかったと思います。 まだ英国病もなく、サッチャー改革による中流階層の崩壊もない平和で豊かなイギリスというファンタジーを堪能する。それがパディントンを楽しむコツでしょう。 そうしてパディントンを読むあたり、自分自身が日本国にはびこる英国熱に感染している患者のひとりだとやっと自覚することができました。 もうひとつ今月に入ってからよく読んでいるのが日本酒と焼酎に関する本。 こんな本を読んでみました。 『本格焼酎を楽しむ』(田崎真也) 『夏子の酒』新装版@〜B(尾瀬あきら) 『日本酒ベストセレクション350』(太田和彦監修) 『本格焼酎ベストセレクション350』(猪俣吉貴監修) 詳しい話はまた今度書くことにします。 |
幕張メッセで開催中の「驚異の大恐竜博」に行ってきました。 今回は、中国で発掘された恐竜がメインです。 全長27メートルのチャアンジャサウルス(川街竜)の複製骨格標本は、みごたえがありました。 ただ前回のセイスモサウルスをメインにした展示に比べると、出展された骨格標本はこぶりでした。 人気恐竜のティラノザウルス(表記はティランノザウルスでしたが)、ステゴザウルス、トリケラトプスの骨格が複製なのは、中国で発掘例がないからでしょう。 近縁種はいても、これらの大型種はでていない。 ジュラ紀や白亜紀の恐竜の多様化で、アメリカ大陸にいたタイプと違う種類が発達していたようです。 今回の発掘例は雲南省の禄豊県川街郷という地区で、ここはジュラ紀、白亜紀を通じて湿潤な森林地帯だったそうです。 乾燥帯で大型恐竜が進化したアメリカや隣のモンゴルとは環境が違う。 中国の博物館では、恐竜の骨格標本は土中になかば埋まった状態で展示されています。発掘現場を屋根でおおって博物館を作るケースも多いようです。 今回のチャアンジャサウルスはまさにそのケースで、足元に肉食恐竜スゼチュアノサウルス(四川竜)二体の化石が埋もれている状態で展示されていました。 これとは別に複製の骨格標本(全長27メートル)も展示されています。 禄豊県川街郷という地域は太古から表土に恐竜化石がころがっていた場所で、住民は「竜骨」とよんで漢方薬の材料にしていました。 中国は奥が深い!(笑) 今回のもうひとつの目玉は、中国特産の羽毛恐竜。 徐星教授(中国のロバート・T・バッカーみたいな研究者)の発掘で有名な小型で、羽毛のはえた恐竜の標本と復元像が展示されていました。 手足に四枚の羽を持つ恐竜、マイクロラプトル・グイがかわいい。 恐竜はいつみてもラブリーだなあ。 今回もたっぷり楽しんできました。 おかげで帰りの電車はくたびれたせいか居眠りして、乗り換えに何度も失敗しかけて青くなりました。 追記: 帰りに『春秋左氏伝』(岩波文庫)を買ってきました。 ながいこと品切れ状態で最近やっと復刊されたのです。 ついに買えた! こっちもうれしい事件でした。 |
© 工藤龍大